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鉛筆・消しゴムのなぜ

鉛筆
消しゴム 普段は当たり前と思うことでも、改めて考えると分からないことは多いものです。
鉛筆で紙に字が書けるのは、当然と言えば当然ですが、どうして消えないのでしょう?また、その字を消すのは、なぜ消しゴムなのでしょう?
あまりにも当然のことと馬鹿にしないでください。そこには知られていない意外な事実が隠されているのです。
  • column1
鉛筆の種類
  • column2
シャープペンの芯
  • column3
消しやすさ

粘土と黒鉛で書いて、化学的に消す

まず、「鉛筆で、どうして紙に字が書けるか」についてですが、これは鉛筆の芯が何からできているかを知らないと説明できません。
そこでまず、[ステップアップ]をクリックして[鉛筆のできるまで]を見てください。
ご覧戴いたように鉛筆の芯は、粘土と黒鉛でできています。また紙は、細かい木の繊維が絡み合ってできています。
そしてこの鉛筆で、紙に字を書くということは、芯を紙に擦り付けることで、この時に黒鉛は、粘土と一緒に削られて、紙の繊維の隙間に入り込みます。
つまり鉛筆で書いた字は、紙の中に入り込んでいるため、擦っても粘土や黒鉛が落ちることはなく、字として残るのです。ちなみにプラスチックの板などの場合、削り落とされた黒鉛や粘土は、表面に乗っているだけで、擦ればすぐに落ちてしまいます。

イメージ

次に、「消しゴムで、どうして鉛筆の字を消せるか」についてですが、消しゴムが紙の中の黒鉛を掻き出すと考える人も多いことでしょう。もちろん消しゴムには、そうした作用がありますが、主となる働きはもう少し化学的です。

ただ、それを知るためには、消しゴムが何からできているかを知らなくてはなりません。やはり[ステップアップ]をクリックして[消しゴムのできるまで]を見てください。

ご覧戴いたように消しゴムは、塩化ビニルが可塑剤を抱え込んだ構造になっています。そして鉛筆の字を消すという機能は、実はこの可塑剤であるジ・オクチルフタレートとジ・ブチルフタレートがもっているのです。

多少難しい表現になってしまいますが、これらの可塑剤は、その分子に炭素の二重結合をもっています。この分子構造は、鉛筆の芯の黒鉛と似ていて、そのため可塑剤と黒鉛は親和性が強く、互いに引き合う性質があります。つまり可塑剤に黒鉛が接すると、まるで磁石のように物理的に吸着され、除去されることになります。また鉛筆の芯を構成するもう一方の粘土は、樹脂や可塑剤に粘着して取り去られます。

消しゴムに使用されている塩化ビニル樹脂は、この可塑剤を抱えている、いわばハウジングとしての機能をもつだけで、仮りに可塑剤がない塩化ビニルで鉛筆の字を消そうとしても上滑りして消せません。
なお消しゴムに混ぜているセラミックスの粉末は、紙を傷めない程度に削って、繊維の中の黒鉛を可塑剤に触れさせるための研磨剤としての役目をもっています。このため消しゴムを使う時には擦りますが消字の原理が分かっていれば、何回か押し当るだけで鉛筆の字を消せることは分かるはずです。
制作著者:有限責任中間法人東京農工大学出版会・日本工業出版株式会社 監修:東京農工大学 農学部教授 濱野国勝
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